世田谷区学童クラブ父母会連絡会の活動と学童クラブ 

現在からさかのぼる事70年前の1947年。児童福祉法では、乳幼児の保育や児童館の位置づけについては法律で制度化されていましたが、学童保育の制度化はまだ行われていませんでした。

1966年から当時の文部省が「留守家庭児童会補助事業」として、1976年からは当時の厚生省が「都市児童健全育成事業」として、学童保育の補助を行ってきましたが、1986年に廃止され、ここでも学童保育の制度化はまだ行われませんでした。そののち、全国的に署名運動が起こり、1997年に児童福祉法が改正、放課後児童健全育成事業として児童福祉法の適用範囲となるのは1998年のことです。 

働く保護者の増加と核家族化の進行で「かぎっ子」と呼ばれる児童が増加し、制度化も儘ならないことから、保護者自身が各地域のなかで自主的に父母会を結成し、公的な学童クラブ開設に向け運動を行ってきました。

世田谷区でも、そうした保護者の懸命な努力と活動により、1964年に区内初の区立の学童保育クラブである「祖師谷小学校学童保育クラブ」が開設されました。

本ホームページにも記載がありますが、世田谷区学童父母会連絡会(通称:父母連)は1976年に発足。保護者と共に開設運動を続ける傍ら、その後に起こる「世田谷区学童クラブ廃止と学童クラブ専任職員廃止問題」の押し戻しや「要配慮児童の新BOP利用」の改善、「学童保育の閉所時間と長期休暇時の開所時間」の改善等、時代と共にさまざまな問題に立ち向かい、行政へ働きかけ、改善を行ってきました。

  現在では、東京都内でも進む学童クラブの機能縮小化に備え、江戸川区や板橋区などの民間委託型の全児童事業形態を学びながら、世田谷区の学童クラブが子どもたちの安全でよりよい生活の場となるために、区内50ほどから成る学童クラブや団体と情報交換を行い、行政に働きかける活動を行っています。

  父母連は、働く現役世代と学童クラブ所属OB/OGから成る、ボランティア組織であり、上記のような活動を知らないところからスタートする人も少なくはありません。大袈裟なようですが、誰かが、諸先輩方が行ってきた活動を未来へと繋げていかなければ、いずれ子どもたちが安心して過ごせる場所も無くなってしまいます。どんな時代でも、大人や保護者の理解と協力が必要な事が子どもたちにとっては一番大切なことに繋がります。

保護者の皆様にもぜひ忘れないでいただきたい事。「昔にあった出来事だから現在の私たちには関係ない」ではなく「今の時代だから子どもたちのために何が出来るのか」を考える “ 誰か ”。 

父母連は保護者と共に日々問題に奮闘する“ 誰か ”の役割を担っています。