世田谷区学童保育クラブ父母会連絡会 会長 伊藤 雅代 

 学童クラブは保護者が就労等で保育できない子どもの生活の場と定義され、世田谷区は全小学校に新BOP(遊ぶ場所)の一部として学童クラブがあります。 

 保護者は保育園のように送り迎えがないため、お互いが顔を会わせる機会が少なく、情報交換のために多くの学童クラブにおいて父母会が結成されています。 

 父母連は各父母会・現役保護者と経験豊富なOB・OGで構成され、学童児および保護者が安心して生活できるように、学童クラブを超えた横のつながりの情報交換や行政側への働きかけを行っています。父母会・父母連の会員は全員就労していますので、ブロック会や運営委員会等の会合は主として週末や夜に開催され、多くの方が可能な範囲で参加しています。

 東日本大震災後、区と学童クラブの連絡が取れるようになったり、安全対策マニュアルが整備されたりしました。震度5以上の地震があると、保護者の引き取りがあるまで学童クラブ室または校内で、子どもを保護する対応になりますので、ご安心ください。6年前の震災の時も職員が協力して、炊き出しやゲームで不安になった子どもたちの対応をしていただきました。最終の引き取りは、午前1時ごろだったそうです。 首都直下地震も懸念されますが、学校および学童クラブ室の耐震性は避難所としての耐震基準を満たしています。今後は、通信手段の確保をどう求めていくかが課題となりますが、職員の対応も限界がありますので、父母会の協力も欠かせません。

 世田谷区では全国の少子化の流れに逆らい年々子どもの数が増加しています。その中での学童クラブ登録児童数の増加率は子どもの増加率よりも高くなっています。社会の多様化や経済的な理由で、就労する方が増え、子どもの生活の場としての学童クラブの需要も毎年どんどん増えています。ただ、世田谷区の学童クラブには保育園と違い定員がありません。待機児とならない事は大変ありがたいのですが、それに伴う課題も、学童児童数の増加により増えてきています。大規模化(人数の過密化)やスペース不足、指導員不足等です。また、個々の家庭の生活も益々多様化しています。

 このような現状において、新BOP学童クラブが、学童クラブとして十分な機能があるかというと、「放課後児童クラブ運営指針」に照らしても、不十分であるといわざるをえません。学童クラブは、子どもの健全な育成のための施設であり、それによって保護者が安心して就労できます。単に働くために子どもを預かってくれる施設ではありません。児童福祉法の解釈もそうなっています。 そのために、利用者である私たちも一緒になって考えていかなければなりません。父母会や父母連の活動・行事にぜひご参加ください。いろいろなご意見をお寄せください。